ゆきの工房・ノベルのイクシア・本編シリーズ:驚愕の反逆者
ノベルのイクシア
本編シリーズ
驚愕の反逆者
「残念じゃが……そうはいかぬのう。魔石の力はワシがもらい受けるからのう」
エミニオン総帥・セツナを打ち倒した時、部屋に老人の声が響いた。
カレンを除く4人には聞き覚えが(特にレイジ・サヤ・レミの3人にとっては忘れたくても忘れられない)あり、しかし聞こえる筈のない声であった。
それもそのはず。
しかし後ろを向いた時、レイジ達はそれが幻聴でない事を確信する。
「オグマッ!?」
白衣に身を包んだ老人。
レイジが超越者となり、戦い続けるきっかけとなったエミニオンの幹部。
遥か以前にキサラに粛清されたはずのオグマがそこにいたのだ。
その瞬間、レイジ達の周囲に細い柱のような機械が出現した。
柱から黄色い稲妻が走った瞬間、レイジ達もセツナも猛烈な脱力感に襲われた。
「超越者の力を奪う特殊装置……開発には苦労したが、効果は抜群じゃのう」
「お前……あの時死んだんじゃなかったのか!!?」
レイジが鬼の形相と怒声で問いかける。
「ワシはしぶとくてのう。力を蓄えつつ、お前達への復讐の機会を窺っておったのじゃ」
「私に刃向かうのですか、オグマ!?」
「これはこれは、ワシを切り捨てた者の言葉とは思えぬのう?そこでワシが進化するのを見ながら、遺言でも考えておけ!」
それだけ言ってオグマは奥の装置へと進んでいった。
赤、青、緑、黄、黒、白の6つの輝きがそこにあった。
「その目に焼き付けるがいい!!」
オグマが中央の巨大なクリスタルの前に立つと眩い光が部屋を包み、収まった時には6つの輝きとクリスタルは消え、そこに一人の魔人が立っていた。
顔には面影を残してはいるが、白衣は黒いマントのような物へと変貌し、全身からはどす黒いオーラが立ち上っていた。
「これだ、この漲る力。もはやわしは無敵となった!セツナ、かつて世話になった礼に貴様をこの力で葬られる最初の人間に選んでやる。光栄に思え!」
瞬間、セツナがその力を封じる装置ごと爆発に飲まれた。
後には肉片1つ遺されなかった。
己が野望の為に多くの人間の生命と幸福を踏みにじって来たエミニオン総帥の、あまりにも呆気ない最期であった。
オグマがまるで鼻歌でも歌い出しそうな愉悦の表情を浮かべる。
「脆い物じゃな……さて、次はお前達の番じゃ」
同じような爆発が無抵抗なレイジ達を包んだ。
偶然かオグマの手加減によるものか4人とも一命を取り留めたが幸運とは言えない。
装置は破壊されたものの、深手を負った彼らにはもはや戦う術はないのだから。
「お前達にはたっぷりと仕返しをしてやらんとな。簡単には殺さぬ」
ダメージのあまり、視界がぼやけてきたが辛うじて金髪の人影が部屋に入るのを確認した。
「これは……」
その人影は部屋に入るなり絶句した。
「アリスか?いや別人か?まあどちらでもよい、まとめて料理すればいいだけの事じゃ」
ほくそ笑みながらオグマが両手を上に掲げ、次の攻撃の体勢に入る。
「しっかりして!!逃げるわよ!!」
彼女の提案には全面的に同意だが、もはやそれすらままならぬ状況なのはレイジ自身が誰よりも認識していた。
直後凄まじい雷撃が襲い来ると同時に、レイジの視界はかつて味わった地面が消えるような感覚と共に闇に塗りつぶされた。
次の瞬間には悔しがるオグマだけが、つい今しがた主を失ったばかりの部屋に取り残されていた。
エミニオン総帥・セツナを打ち倒した時、部屋に老人の声が響いた。
カレンを除く4人には聞き覚えが(特にレイジ・サヤ・レミの3人にとっては忘れたくても忘れられない)あり、しかし聞こえる筈のない声であった。
それもそのはず。
しかし後ろを向いた時、レイジ達はそれが幻聴でない事を確信する。
「オグマッ!?」
白衣に身を包んだ老人。
レイジが超越者となり、戦い続けるきっかけとなったエミニオンの幹部。
遥か以前にキサラに粛清されたはずのオグマがそこにいたのだ。
その瞬間、レイジ達の周囲に細い柱のような機械が出現した。
柱から黄色い稲妻が走った瞬間、レイジ達もセツナも猛烈な脱力感に襲われた。
「超越者の力を奪う特殊装置……開発には苦労したが、効果は抜群じゃのう」
「お前……あの時死んだんじゃなかったのか!!?」
レイジが鬼の形相と怒声で問いかける。
「ワシはしぶとくてのう。力を蓄えつつ、お前達への復讐の機会を窺っておったのじゃ」
「私に刃向かうのですか、オグマ!?」
「これはこれは、ワシを切り捨てた者の言葉とは思えぬのう?そこでワシが進化するのを見ながら、遺言でも考えておけ!」
それだけ言ってオグマは奥の装置へと進んでいった。
赤、青、緑、黄、黒、白の6つの輝きがそこにあった。
「その目に焼き付けるがいい!!」
オグマが中央の巨大なクリスタルの前に立つと眩い光が部屋を包み、収まった時には6つの輝きとクリスタルは消え、そこに一人の魔人が立っていた。
顔には面影を残してはいるが、白衣は黒いマントのような物へと変貌し、全身からはどす黒いオーラが立ち上っていた。
「これだ、この漲る力。もはやわしは無敵となった!セツナ、かつて世話になった礼に貴様をこの力で葬られる最初の人間に選んでやる。光栄に思え!」
瞬間、セツナがその力を封じる装置ごと爆発に飲まれた。
後には肉片1つ遺されなかった。
己が野望の為に多くの人間の生命と幸福を踏みにじって来たエミニオン総帥の、あまりにも呆気ない最期であった。
オグマがまるで鼻歌でも歌い出しそうな愉悦の表情を浮かべる。
「脆い物じゃな……さて、次はお前達の番じゃ」
同じような爆発が無抵抗なレイジ達を包んだ。
偶然かオグマの手加減によるものか4人とも一命を取り留めたが幸運とは言えない。
装置は破壊されたものの、深手を負った彼らにはもはや戦う術はないのだから。
「お前達にはたっぷりと仕返しをしてやらんとな。簡単には殺さぬ」
ダメージのあまり、視界がぼやけてきたが辛うじて金髪の人影が部屋に入るのを確認した。
「これは……」
その人影は部屋に入るなり絶句した。
「アリスか?いや別人か?まあどちらでもよい、まとめて料理すればいいだけの事じゃ」
ほくそ笑みながらオグマが両手を上に掲げ、次の攻撃の体勢に入る。
「しっかりして!!逃げるわよ!!」
彼女の提案には全面的に同意だが、もはやそれすらままならぬ状況なのはレイジ自身が誰よりも認識していた。
直後凄まじい雷撃が襲い来ると同時に、レイジの視界はかつて味わった地面が消えるような感覚と共に闇に塗りつぶされた。
次の瞬間には悔しがるオグマだけが、つい今しがた主を失ったばかりの部屋に取り残されていた。