ゆきの工房・ノベルのイクシア・本編シリーズ:正面突破
ノベルのイクシア
本編シリーズ
正面突破
エミニオン本部、その正面ゲートで砲撃が炸裂する。
辛うじて直撃は避けたがコンクリートが砕け、その破片がレイジに殺到する。
すぐさまサヤにヒールをかけてもらうが、あまり長くは持ちそうにいない。
呪いの詩からカイを助け出したレイジ達は殲滅の黙示録(アポカリプス)の力を得ようとするセツナを止めるべく、エミニオン本部への殴り込みを敢行した。
当初はカイに勧められた通り地下の水道施設を通って侵入する筈だった。
だが入った瞬間、ここの行軍を諦めざるを得なかった。
何故なら入った瞬間、目が眩むような数の魔獣の出迎えを受けたからだ。
サヤによれば、魔獣を遠ざける退魔の香炉という品があるが、それの逆の作用がある(退魔士が標的となる魔獣をおびき出すためのものらしい)香りがあの一帯にかなり強くしたらしい。
仮に勝てたとしてもかなりの時間を消費するのは必至、その間にセツナが事を成してしまっては意味が無いと、やむなく撤退して来て現在に至るのだが―――
エミニオンの誇る兵器・マシンガーディアン2体の火力と装甲を由来とする強さは四天王達に引けを取らぬほどのものであった。
しかし彼らも無策で挑んだわけではない。
「レイジさん、そろそろじゃないですか?」
「そうだな。カレン、!レミ!」
「OK!」
「わかったよ!」
彼らは2人ずつのペアに分かれ、必要に応じた回復を行いつつずっと敵の攻撃を避け続けていたがここで動きを変えた。
4人一塊になり、直線状に2体のガーディアンに挟まれる格好となる。
無慈悲な殺人兵器が彼らに照準を合わせ、グレネードランチャーを発射する。
「今だ!」
グレネードが命中する直前、4人は散開し標的から外れたグレネードはそのまま正面へ飛び続ける事になる。
グレネードを発射した当の兵器達に向かって。
結果、マシンガーディアン達はお互いの弾を食らう事になる。
「やった!」
「レイジさんの作戦通りですね!」
火力の高さを逆手にとった同士討ち、それがレイジの狙いであった。
ペアに分かれたのは誘導の為だったのだ。
小規模な放電を繰り返し、煙を上げ続けるガーディアン達はなおもレイジ達に砲口を向けようとするが、その動きは先程より明らかに鈍っていた。
「カレン、行くぞ!」
「外さないでよ!!」
カレン自身が体得したものと彼女との性交によってレイジが引き継いだものの2つの誘導電磁砲が機械の番人にとどめを刺した。
なんらかの原理で浮遊していた機体が力を失い、その場に落下する。
「お兄ちゃん、カレンさん。お疲れ様」
レミが労いのヒールライトを発動させ、4人の疲れを癒す。
「これで邪魔者はいなくなった!」
「いよいよ殴り込みですね。兄様の為にも、負けられません!」
4人は決戦の場となる、悪の塔へと走り出した。
それを背後から眺める人影がいた。
「そのくらいやってもらわなくちゃ、張り合いが無いわ」
その人影―――四天王アリスはそれだけ呟くと闇の穴に消えた。
辛うじて直撃は避けたがコンクリートが砕け、その破片がレイジに殺到する。
すぐさまサヤにヒールをかけてもらうが、あまり長くは持ちそうにいない。
呪いの詩からカイを助け出したレイジ達は殲滅の黙示録(アポカリプス)の力を得ようとするセツナを止めるべく、エミニオン本部への殴り込みを敢行した。
当初はカイに勧められた通り地下の水道施設を通って侵入する筈だった。
だが入った瞬間、ここの行軍を諦めざるを得なかった。
何故なら入った瞬間、目が眩むような数の魔獣の出迎えを受けたからだ。
サヤによれば、魔獣を遠ざける退魔の香炉という品があるが、それの逆の作用がある(退魔士が標的となる魔獣をおびき出すためのものらしい)香りがあの一帯にかなり強くしたらしい。
仮に勝てたとしてもかなりの時間を消費するのは必至、その間にセツナが事を成してしまっては意味が無いと、やむなく撤退して来て現在に至るのだが―――
エミニオンの誇る兵器・マシンガーディアン2体の火力と装甲を由来とする強さは四天王達に引けを取らぬほどのものであった。
しかし彼らも無策で挑んだわけではない。
「レイジさん、そろそろじゃないですか?」
「そうだな。カレン、!レミ!」
「OK!」
「わかったよ!」
彼らは2人ずつのペアに分かれ、必要に応じた回復を行いつつずっと敵の攻撃を避け続けていたがここで動きを変えた。
4人一塊になり、直線状に2体のガーディアンに挟まれる格好となる。
無慈悲な殺人兵器が彼らに照準を合わせ、グレネードランチャーを発射する。
「今だ!」
グレネードが命中する直前、4人は散開し標的から外れたグレネードはそのまま正面へ飛び続ける事になる。
グレネードを発射した当の兵器達に向かって。
結果、マシンガーディアン達はお互いの弾を食らう事になる。
「やった!」
「レイジさんの作戦通りですね!」
火力の高さを逆手にとった同士討ち、それがレイジの狙いであった。
ペアに分かれたのは誘導の為だったのだ。
小規模な放電を繰り返し、煙を上げ続けるガーディアン達はなおもレイジ達に砲口を向けようとするが、その動きは先程より明らかに鈍っていた。
「カレン、行くぞ!」
「外さないでよ!!」
カレン自身が体得したものと彼女との性交によってレイジが引き継いだものの2つの誘導電磁砲が機械の番人にとどめを刺した。
なんらかの原理で浮遊していた機体が力を失い、その場に落下する。
「お兄ちゃん、カレンさん。お疲れ様」
レミが労いのヒールライトを発動させ、4人の疲れを癒す。
「これで邪魔者はいなくなった!」
「いよいよ殴り込みですね。兄様の為にも、負けられません!」
4人は決戦の場となる、悪の塔へと走り出した。
それを背後から眺める人影がいた。
「そのくらいやってもらわなくちゃ、張り合いが無いわ」
その人影―――四天王アリスはそれだけ呟くと闇の穴に消えた。