ゆきの工房・ノベルのイクシア・Hシリーズ:グッドナイト1 労働の対価

ノベルのイクシア
Hシリーズ
グッドナイト1 労働の対価
掲載日:2020/06/29
著者:黄金のラグナデーモン108世 様
カタカタカタカタ……

時刻は深夜0時。
数時間前から、誰もいないオフィスに同じ音が響き続けている。


音の主である彼の名は並樹レイジ。
この白銀商事に勤務するしがないサラリーマンである。


今日も残業の彼は夜遅くまでこうしてデスクでキーボードを打ち続けている。




「ふぅーっ、やぁっと終わったぁ!!」




書類作成に伴う音の連鎖が終焉を迎え、レイジが大きく伸びをする。





「お疲れ様」


声の方を振り返ると、黒いスーツに身を包んだ金髪の女性が立っていた。
彼女はレイジの上司である御門リナ部長。





「あ、部長」





カツカツと音を立てて歩み寄る。
間近まで来た彼女のスーツで強調された豊かな膨らみに嫌でも目が行く。




「私の胸……そんなに興味があるの?」


視線に気づいた部長が悪戯っぽい笑みを浮かべて尋ねてくる。


「あ……いや……その……」


「嘘が下手ね」


レイジが否定しようとどもっていると、彼女の右手がレイジの股間に伸びる。


「うぅ……あっ……!」


温かな手で股間を優しく撫でられると、瞬く間にレイジの逸物が勃起した。



「ふふ……体は正直なようね。たまには抜かないと毒よ?」



楽しげに笑みを浮かべる。
当の本人は部長から顔を背け、顔から火が出そうになるという言葉の意味を身をもって思い知っている真っ最中であった。




「一緒にコーヒーでも飲もうと思って来たのだけれど……いいわ。今夜は可愛い部下の為に、私が一肌脱いであげるわ」














数分後。


レイジは下の物を脱がされた状態で、床に寝かされていた。
下半身丸出しで仰向けに寝そべり、美人と評判の部長に見下ろされるその光景は、はたから見れば滑稽そのものである。



「さぁ……始めましょうか……頑張り屋さんへのご褒美タイムを、ね」



次の瞬間、ストッキングで覆われた美脚がレイジの反り返った男根を踏みつける。




「うぅ……あぁ……」



たまらず情けない喘ぎ声をあげる。
それを聞いたリナが一層唇を歪める。



「まだ始めたばかりなのにそんなに感じるなんて……よほど溜まってたみたいね?」

「う……うぅ……」



リナの視線から目を背け、恥ずかしそうに漏らす。
安月給の彼には風俗など半年に一度行ければ幸運な方だ。


しかも最近は夜遅くまでの残業が多く、自分で抜く時間さえ無い。


「今夜はたっぷり私が気持ちよくしてあげるから、存分に楽しみなさい……」




そう言ってリナは足を動かし始める。
その動きは踏みにじるというよりは、擦るといった方が適切だろう。




「ぐあ……あぁぁぁっ!!」


「そんなに感じちゃって……私としてもやり甲斐があるわ……」






すべすべしたストッキングに覆われた足裏がレイジのペニスに心地よい刺激を与えていく。
それがどんどん彼の興奮を高めていく。


「本当に嬉しそうね……可愛い……」



そんなレイジの表情を見たリナが足の動きをさらに加速させる。
それは言わずもがな、レイジの快楽をさらに高みへと押し上げる事へと繋がる。




「あっ……あっ……あっ……!!」



二人以外誰もいないオフィスに、レイジの喘ぎ声が響き渡る。
リナの爪先が動き、亀頭に軽く食い込む。



「ぐああああぁぁぁっっ!!!」



それがレイジの快楽を頂点に導いた。
盛大に響き渡る絶叫の後、膨れ上がったレイジの逸物が中身をぶちまけ、黒いストッキングに白いペイントが施される。







「はぁ……はぁ……」


心地よい疲労感に包まれたレイジが、満足げな笑みを浮かべながら荒い呼吸を繰り返す。




「ふふふ……下手な風俗店になんか行く気にならなくなるくらい気持ちよかったでしょ?」



「は、はい……」



「ふふ……正直ね」



リナがにっこりとほほ笑みながらかがんで、レイジの頭を優しく撫でる。



「その……部長……」



「わかってるわ。これからも定期的に……してあげるわ」







リナの笑みが蠱惑的なものから、優し気なものへと変わる。



「だから今日はゆっくり休みなさい……」



そして彼女の言葉が引き金になったように、レイジは瞼を閉じ、意識を微睡みの闇へと沈めていった。





















「あ、あれ……?」




ベッドの上でレイジは目を覚ます。
先ほどまで見ていたオフィスの景色やリナの姿はそこになく、いつも見ている探偵事務所の自室である。



「夢……?」




右手で頭を掻きながら寝ぼけ眼でふと枕元を見ると、蓋の開いたガラス瓶が1つ転がっていた。


それは昨日、オトナのお店で買って来た男性専用ドリンク・グッドナイト。
中々の値ではあったが、男性が飲むと『いい夢』が見られるという売り文句に興味を持って買ってみたものだが……



(そうだ……俺は昨夜寝る前これを飲んで……)



思い出そうとするが、その後の記憶が無い。

あの夢の中の出来事を除いて。


「なるほど。いい夢、か……」



その意味を理解し、彼はおもむろに呟く。
ちなみに味自体も中々のものだった。


「確か大人気商品で続々入荷してるとか言ってたな……」



何しろ他の商品と違って、『相手』がいなくても楽しめるのが利点だろう。

無論、レイジの例を見ればわかるように相手がいても十分有益な代物だ。

人気が出るのも道理だろう。




次はどんな夢を見られるのか?
そんな期待に胸を躍らせながら、レイジは代金を稼ぐのに良い場所はどこかと思案するのであった。