ゆきの工房・ノベルのイクシア・Hシリーズ:グッドナイト2 熱き一時

ノベルのイクシア
Hシリーズ
グッドナイト2 熱き一時
掲載日:2020/07/22
著者:黄金のラグナデーモン108世 様
晴れ渡った青い空、照り付ける日差しの下。

彼―――並樹レイジを中心とした半径2メートルほどの土が露出した場所を除けば辺り一面、向日葵の花で埋め尽くされていた。



「ここは……」


八方から蝉の声が響く中、レイジはぼうっと立ち尽くしていた。



些か五月蠅く思わぬでもない真夏のオーケストラの中でしばし思考を巡らせ、やがて一つの答えを導き出した。




(思い出した……ここは田舎の婆さんの住んでたところの……)



対魔戦争のずっと前。
毎年夏になると家族4人で来ていたのだ。



家から少し離れたところには小川があって、レミと川遊びに興じた。



風鈴の鳴り響く縁側ではよく冷えたスイカを食べたり、ラムネを飲んだりした。



夜になると近くで祭があって、家族全員で盆踊りに参加したこともあった。



夏休みの宿題を持ち込んで、親に内緒で婆さんに手伝ってもらったこともあった。




でも一番印象深いのはこの向日葵畑。
レミや両親にも大評判で、こっちに来た時には必ず立ち寄ったものだ。





「懐かしいな……でも、対魔戦争の前に亡くなったんだよな……」



彼女の死後もレイジ達は夏になると墓参りという目的で赴いたが、それも両親が存命の頃の話。


2人の死後はすっかりご無沙汰であった。
来たくても来られる筈が無かった。


その呟きを合図とするように爽やかな風が吹き、見渡す限りの黄色がさぁっと揺れた。



「うおっ!?」



その光景に郷愁のような感情に浸っていると、不意に後ろから何者かが抱きついてきた。


「だーれだ?」


声の主はすぐに分かった。


幼い頃よりずっと聞いてきた声なのだから。




「レミ」




問いに答え振り返ると、いつもと変わらぬ妹の姿がそこにあった。




「あったりー。それじゃあご褒美をあげるね」



「え?」




素っ頓狂な声をあげると同時に、レイジは地面に押し倒された。
何故か痛みはないが、あまりの急展開に彼は狼狽する。


「ちょ、ちょっとレミ!?」


「ほーら動かない。お兄ちゃんのだーい好きなコト……今からしてあげるんだから!」




レイジは普段からは考えられないくらい積極的な妹の姿にすっかりたじろぐ。




いつの間にかレイジもレミも一糸纏わぬ姿になっていた。





(な……これどうなって……!!?)



「余計なことは考えずに、楽しも?」





蠱惑的な笑みを浮かべてレミは裸の実兄に馬乗りになり、知らぬ間に勃起していた彼のペニスを自身の膣へと押し込んだ。






「お、おいレミ……」



「ほーら遠慮しない。一緒に気持ちよくなろうよ」



言い終えるやレミは勢いよく上下に腰を動かし、レイジに快感を与えだす。



「う……あぁ……!!」



いつも以上にきゅうきゅう吸い付いてくる彼女の膣内の気持ちよさと動きの激しさにレイジはあっさり情けない喘ぎ声を漏らす。




「あぁっ……!!あんっ!!……あぁんっ!!!」




レミもまた舌と唾液を出しながら喘いでいた。




強い日差しのお陰で彼女の全身には無数の汗の雫が浮かび、上下運動に伴いそれらがぽたり、ぽたりとレイジの体に落ちてきた。


レイジの双眸にはその姿がいつもより数段刺激的に映った。







「今日のお兄ちゃんの……いい!すっごくいいよぉ!!」



「レミのもだ……!!いつもより締まって……最高だ!!」



もはやレイジの脳にはこの不可解極まりない事態に対し考察する余裕は完全に消え失せていた。

今はただ獣のように……いや獣以上に情欲に身を委ね現状を楽しむことにした。




それまでレミの動きを堪能するだけだったレイジが腰を浮かせ、己の槍でレミの膣を抉り、子宮に強烈な突きを繰り出した。





「お兄ちゃ……激し……いぃぃぃっ!!」



その突きに、妹が天を仰ぎながらさらに大きく喘いだ。



「レミも……こうされたかったんじゃ……ないのか!?」



「うん!そう!!突かれたかったの!!お兄ちゃんのでもっと気持ち良くなりたいのおぉっ!!」



「今日は大サービスだ。いっぱい突いてやるからしっかり味わえ!!」



「ありがとうお兄ちゃん!大好き!!」









そうして互いに快楽を貪っていると、そんな嬌声の二重奏にもフィナーレが訪れた。






「レ、レミ……俺……も、もう……!!」




「出して!お兄ちゃんの……私の奥までいっぱい、いっぱいぃぃぃ!!」





兄の言葉と表情で全てを察した妹の絶叫と共にありったけの精が膣と子宮にぶちまけられた。




結合部から溢れ出た精液が重力に従って零れ落ちる。




「あはは……お兄ちゃんの……いっぱぁい……」






レミが膣からペニスを抜いて、レイジの上に抱きつくようにして倒れ込んだ。
2人ともすっかり疲れ切った様子で、はぁはぁと荒い呼吸を繰り返していた。



「お兄ちゃん、気持ちよかった?」



「ああ……」



返事と同時に、右手で彼女の頭を撫でた。
掌に伝わるサラサラした髪の感触が心地よかった。



「良かったぁ……嬉しいよぉ……」



満面の笑みを浮かべて顔を近づけてきた。


「お兄ちゃぁん……だぁい好きだよ……」


頬にキスをされた所で、レイジの視界が真っ黒に塗りつぶされた。

























「う、うーん……」





この間と同じくいつもの自室でレイジが意識を覚醒させた。
やはり蝉の声も日差しも、向日葵畑も無い。

いつもと何も変わらぬ自室の光景がそこにあった。





「……」




黙り込んでいると、不意にドアが開いた。




「お兄ちゃん、朝ごはん出来たよ……って、起きてたんだ」



「あ、ああ……」



妹の顔を直視できずに、思わず顔を背ける。



「お兄ちゃん、顔真っ赤だけど……熱でもあるの?」



レミが心配そうに覗き込んできた。
夢の中で彼女と激しく交わっていた、などとは言えるはずがなかった。




「……なあレミ」



「なぁに?」



「今度、婆さんの所へ行かないか?」




何故かそんな言葉が出てきた。
単にその場をごまかすためか、あるいはあの場所への懐かしさゆえか、彼自身にも判断がつかなかった。




「お婆ちゃんの所?もしかして、あの向日葵畑の?」



「ああ。今はもう誰もいないし、あの向日葵畑もないかもしれないけど……さ。墓参りを兼ねてどうだ?」



レミは目を伏せ、少し思案した。



「……いいけど、サヤさんを紹介するのが先じゃないの?」



「ま、それはまたの機会にするよ」



「そっか。じゃあお供え用にお花とおはぎ買っていこうよ」



「大好きだったもんな、おはぎ」


















後日、奇跡的に対魔戦争の被害を免れ昔のまま残っていた向日葵畑で二人が夢のように交わったかは読者諸君の想像に任せる。